女装少年村塾

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一八世紀に発生し、瞬く間に世界中に広がった謎の巨大生物〈蟲（ギヴル）〉。
甚大な被害と引き替えにもたらされた化石燃料によって、世界は変貌した――。
時は「明治」と呼ばれるはずだった時代の少し前。
異国への航路で蟲を操る男たちに襲われた少年・秋津慧太郎はある海岸に流れ着く。
その右目に奇妙な力を得て――そして辿り付いた荒地で、慧太郎は蟲たちを愛し、
その研究と対処とを生業とする美少女アンリ・ファーブルと出会った。
もうひとつの近代で幕開く、蒸気と蟲と恋が彩るファンタジー！

本作「ミス・ファーブルの蟲ノ荒園」は
上にコピペしたあらすじを見て分かるとおり
「if」の19世紀を舞台にしたスチームパンク。

現実世界と違い巨大な蟲や魔術が存在したり
幕府が開国に踏み切った理由が黒船ではなく
蟲が原因だったりと浪漫溢れるモノになってます。
ちなみに舞台は日本ではなく、フランスを中心にした欧州になるっぽい。

■秋津慧太郎

本作の主人公兼もう一人ヒロイン枠。
薩摩藩の下級藩士の家に生まれた次男坊。

頭が良くて優しいお兄ちゃんや自分の女顔などに
コンプレックスを持っている16歳の男の子。
でも正義感は強いし、剣の腕は一流だぞ！
一人称は「僕」
ネタバレになるけど金色の左目は啓太郎くんが
元来から持ってるものじゃありません。

■秋津ケイ

身元を隠すための策として本来は男子禁制の女子校に
入学させられることになった慧太郎くんが女装をした姿。

元々の慧太郎くんが凛々しくて可愛い系の子なので
ケイちゃんも凛とした中に可愛いさがあるタイプの子です。
しかし、この姿でも一人称は「僕」
ネタバレになるけど、自分の意図したことではないけれど
いたいけな少年を一一人篭絡させてしまったりします。

■薩摩藩

ところでケイちゃんは女顔や線の細さを理由に同輩に軽んじられたのが
コンプレックスとの事ですが、薩摩藩はこういう藩ではなかったのか?
本作の薩摩藩は多少設定を変えておりますってことなら仕方無いですが、
そういう訳でないなら薩摩藩時代の衆道文化にも触れるべきなのでは!?
読者層に望まれてない?そんなこと俺が知るか！

■アンリ・ファーブル

本作のヒロイン兼もう一人の主人公枠。
容姿は正統派の美少女顔ですが、
性格の方はかなりアクが強いので好き嫌い出るタイプの子。
なにかにつけて慧太郎くんの保護者面をしたりと
ラノベのヒロインにしては珍しくお姉ちゃん気質の
面倒見が良いタイプなので僕は好き。

■ジョゼフ

この作品間では〈裸蟲（ミルメコレオ）〉と呼称される人間の一人。
要は寄生タイプの蟲に寄生されて変質された怪人です。
外見は蟲と合体させられちゃってるので残念ながらキモいですが、
悲しい過去をもったイイ男で慧太郎くんと行ったバトルという名の
イチャイチャはある意味アンリちゃんと行ったラブコメという名の
イチャイチャより濃くてキュンキュンしちゃったよ～（///）

個人的に歴史改変SFやスチームパンクは割と好きなので
ケイちゃんの可愛さはもちろん、物語や世界観も楽しめましたが
ヒロインであるアンリちゃんのアクがかなり強かったりと、
電撃文庫の読者層に合ったキャッチーさは無かった点が不安。

まーそこら辺は編集部が考えることであって一読者である
僕としてはケイちゃんの凛々可愛さも慧太郎くんの弟属性も
気に入ったから続編は出して欲しいぞ！